私の体は音楽と映画と旅でできている

タイトルのまんまのブログ。中年主婦が映画、音楽、旅行について思いつくままに書いてます。

ROCKと少女漫画の熱い関係

AERAの洋楽ムックが出ていたので、購入しました。


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QUEENを中心におそらく洋楽が一番輝いていた80年代までのアーティストをクローズアップしてますが、本が薄くてQUEEN以外は紹介程度の取り上げ方しかしてなかったのが残念。
結局のところ、日本における洋楽って80年がピークだったんでしょうね。奇しくも昭和時代と重なりますが、あの頃は邦楽だけでなく、洋楽も誰もが知っている、どこかで聴いたような耳に馴染みのある曲があったという事でしょう。

この本で興味深いのはROCKと少女漫画との関連性について取り上げている事です。
池田理代子センセイのあまり似てないQUEENの塗り絵は少々残念でしたが、彼女もあの狂乱グラム・ロックの洗礼を受けた世代で『オルフェウスの窓』にはデヴィッド・ボウイがモデルのキャラが登場します。
あと、しまあつこさんの新作が懐かしかったですね。
昔、音楽専科で夢中になって読みました。皆、似てるんで笑えます。

QUEENがまず、日本の女性から火がついたのは有名な話ですが、空港で2000人もの若い女性に出迎えられ、本人達にしたら「なぜ?」と不思議だったでしょうね。
まず、少女漫画ファンが飛びついたらしいのですが、それまで男のものとされていたロックに女性ファンがついた最初のアーティストだったわけですが、これを仕掛けたのは東郷かおる子さんで、当時は『ベルサイユのばら』ブームで、もしかしたらいけるのではないかという読みが当たったんでしょうね。ロジャーの美しさにオスカル様を見出したのは想像に難くありません。

そこで少し記憶をたどってロックに関係ある少女漫画を紹介しますね。
一条ゆかりの昔の作品は長髪巻き毛のキャラが頻繁に登場してました。
今も『有閑倶楽部』の美童君などはロン毛ですが、今の価値観からは少しアナクロかもしれませんね。
メイン・キャラの一人、悠理はロック好きですね。

 

デザイナー (集英社文庫(コミック版))

デザイナー (集英社文庫(コミック版))

 

 

 

 大和和紀の『はいからさんが通る』のヒロインの婚約者は軍人なのに巻き毛だし(ハーフというのもあるのでしょうが)、大正時代だというのにヒロインの勤める新聞社の編集長なんて長髪巻き毛でした。
まあ、少女漫画ではリアリティなんて野暮な事を考えてはいかんのでしょう。
そういえば『KILLA』というマンガの主人公はキラ・クイーンという名前でした。
少女漫画でないのですが、洋楽ファンのバイブルとも言える『ジョジョの奇妙な冒険』は登場人物に洋楽アーティストの名前をつけている事で有名ですが、第4部のラスボスは吉良(キラ)だし、能力の名前が「シアー・ハート・アタック」なんですね。

 

 

社会的背景だけは徹底的なリアリティを追求した硬派な作品が青池保子さんの『エロイカより愛をこめて
東西冷戦を背景にNATOのドイツ人少佐と美術品コレクターのイギリス人伯爵が活躍するアクション・コメディーでこの金髪巻き毛の伯爵のモデルがレッド・ツェッペリンロバート・プラントなのは有名な話。
上記のムックにも青池さんのインタビューが載っていますが、当時から骨太なロックがお好きだったようですね。
彼女のターニング・ポイントとなった『イブの息子たち』はカオスなマンガで、フレディやKISSも登場します。

 

イブの息子たち (1) (白泉社文庫)

イブの息子たち (1) (白泉社文庫)

 

 

エロイカより愛をこめて (4) (Princess comics)

エロイカより愛をこめて (4) (Princess comics)

 

 

あと、あまり、知られていませんが、正統派少女漫画の鈴木雅子氏もデヴィッド・ボウイそっくりのキャラクターを登場させています。

80年代に入ってからは清水玲子氏がDURAN DURAN好きで作品にジョン・テイラーニック・ローズそっくりのキャラが出てきます。

 

ノアの宇宙船―清水玲子傑作集 (花とゆめCOMICS)

ノアの宇宙船―清水玲子傑作集 (花とゆめCOMICS)

 

 

しかし、ロックと少女漫画がリンクする、、日本はやはり他に類を見ない国なんでしょうね。