私の体は音楽と映画と旅でできている

タイトルのまんまのブログ。中年主婦が映画、音楽、旅行について思いつくままに書いてます。

U2 SLANE 2001

U2の来日も決まった事だし、昔UPした2001年度のSLANEのライブ・レポートを転載します。

 

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たまたま、9月初頭に商用でバーミンガムに出向く用事があったので、一週間渡航を早め、ネットで知り合ったKさんとU2のコンサートをご一緒しようということになったのです。

8月25日には何とかU2のコンサートを体験することができたのですが、そこに行く着くまでに 何度も天国と地獄を往復するハメに・・
自分の恥をさらすことになりますが、海外コンサートを 体験してみたいという方もおられるかもしれないので、警告の意味も込めてあえて書きます。

私が24日にダブリンに着いてまずしたことはSLANE行きのバスの情報を得ることでした。 街にはU2の曲が流れ、レコード屋にはU2コーナーができ、コンサート前夜の雰囲気 タップリで私は気分良くダブリンの街を歩いておりました。

ダブリンが誇るU2のコンサート、それも音楽フェスで名高いスレーンでのコンサートだから きっと観光局が何か知っているに違いないという希望的観測のもとオコンネル通りの観光局に 向かいました。
順番待ちの私の前には、翌日スレーンのコンサートに車で行くから道を教えて 欲しいと尋ねているカップルがいて快く教えてあげていたから、きっとバスに関しても詳しい ことを知っているだろうと思い込み、早速尋ねてみたのですが、彼女は「バスのことは向かい のバス・インフォメーションで聞いて下さい」と言うのです。

そこでも私の英語力が不足しているせいかどうも要領を得ないので、仕方ないからとりあえず、 次の移動先のエニスキレンへのバスの時間を調べにコーチ・ステーションに向かうとそこの チケット売り場に「SLANE行きのバスはここでお買い求めください」という張り紙が・・  喜んだのもつかの間、チケット売り場で聞いてみるとスレーン行きのバスのチケットは全て SOLD OUTというではありませんか?! 

前日にしてバスが売り切れなんてそんなことがあるんか~。 それともバスそのものがなくなったとか。とか思いつつ、こりゃ、タクシーで行くしかないかしらん。もう一人くる予定だし、3人で割り勘にするとそれほど高くつかないし・・

などと思いつつ、ダブリンではもう特にやることがないので、情報集めなどをしてから一旦 ホテルへ戻って夜に備えて休憩していたらKさんから電話で荷物トラブルがあった ため、少々遅れるという連絡が入ったのですが、その時にちらりとタクシーのことも調べて くださったとの事。

何でも普通はスレーンまで通常往復100£で行くところ、普通は40分くらいのところが 渋滞で3時間はかかる可能性もあるということでイベント料金と称し、170£を要求。 しかし、これは決してボラれているのではなく、正当な金額らしい。

24日、夕方にKさんと合流。色々と翌日の計画を練っていたのですが、その時初めて ボノのお父上が亡くなったとお聞きして驚きました。

翌日25日には、HP読者のNさんと同じ場所で待ち合わせ、無事に3人合流することが できました。

とにかく、コンサート会場のスレーン城に行くのも至難の技(というほどのことでもないか) だったのですが、何とかタクシーでたどり着いた私達を待ち受けていたのはダフ屋の親父。 うさんくさそうな奴だと思いつつ、交渉開始。

最初は一人140£(約21000円)だと言うので、「もっと安くならない?」と私。
「3枚買うんだけど」とKさん。
そうすると奴は3枚400£(約60000円、一人2万円)だと言う。予算は3万円だったので 一刻も早く中に入りたかった私達「それで手を打とうか」ということになったのですが、 ニセ・チケットが出回っているという情報を事前に仕入れていた私達は、購入する前に 他の人から本物のチケットを見せてもらい、細かくチェック。

う~ん、どう見ても本物だ。しかし、銀色のシールの位置が違うということで疑い深い私達は もう一組、他の観客からも見せてもらおうということになり、こちらはダフ屋の提示するチケット と同じ所にシールが貼ってあり、「大丈夫だよね」と購入を決意したのです。 これで一人134£(約2万円)だから、予算以内に納まったよね、と天国にも上る足どりで途中 写真撮影などしながらチケットの検問所に向かうと、1度目は無事通過。よしよし。 しかし、2度目の検問所でひっかかっちゃったんですよね。

も~う、ほんとにちょっとした違いなんですよ(涙)。そのニセ・チケットは証拠品として 没収されてしまったのでもはや確かめようがないのですが、1文字がかすれていたとかそんな 些細なことだったと思います。

とにかく、その時私達の頭の中は一瞬真っ白に・・。
高いタクシー代を払ってここまで辿り来たというのにコンサートも見れずに帰らなければ ならないのかとそれはもう絶望的な気分に陥りました。

慌ててそばにいた警官に訴え、売りつけた奴を探しに行ったのですが、当然ながら奴がいつま でもそんなところにウロウロしているはずもなく、既にドロン(死語)した後でした。
私は今回の旅行にデジカメを持っていったわけですが、コンサート会場ではどうせ没収される のではという危惧からホテルに置いてったんですよね。
こんなことなら持ってきて売りつけた奴を撮っておけばよかったと後悔しきりだったわけですが、 そういう場合奴はやはり拒否したでしょう。 それか最初からもし本物なら警官の前で売ってくれ、とでも言えば良かったかもしれません。

呆然と気落ちしている私達におまわりさんが「134£は残念だったが、とりあえず、そこの チケットBOXで正規の40£(約6000円)で本物のチケットを売ってもらえばいい」と言うので 一瞬、私は(何言ってんのよ。1時間で売り切れたチケットがあるわけないじゃない)と思ったの ですが、警察の立会いの元、いとも簡単に当日券を買えたわけですよね。チケット・マスターで 買ったから今度こそ大丈夫だろうと安心したわけですが、「こんなことなら最初からここに 来れば良かったじゃん」と嘆いても後の祭り。

しかし、モノホンのチケットを手に入れて浮かれるのもそこそこに、なぜ、売り切れたはずの チケットがあるのかという新たな疑問が沸いてきました。 もしかすると旅行会社が買い占めた(ホテルや航空券と抱き合わせでチケット売りつけようとする 業者、こんなのがいるからすぐに売り切れたんだ)チケットがダブっていたとか、様々なケースを 考えたわけですが、「ニセ・チケットを掴まされてしまった気の毒な人の ために予備のチケットを用意しているんじゃないかしら」と一つの可能性を考えました。
これだけチケット詐欺が問題になっている中、被害が出たということはそばにいながらそれを 防げなかった警察の不手際もあるわけでして・・

果たしてニセ・チケットを掴まされなければ売ってくれたかどうか・・ とにかくその時はそう いうことを確かめる発想も気持ちの余裕もなく、ただただ、早くコンサート会場に入って安心 したかったのでした。この時は3人抱き合って泣いたものです。今となっては笑えますが・・ それはさておき(置きたくないが)8万人の野外コンサートは想像を絶するものでした。 私はFUJIロック・フェスには行った事はないのですが、行った友人によると5万人というだけでも すごいということなのにさらにその+3万人ですからね。
道の両端に並んでいるバスの壁には驚いてしまいました。


とにかく、城の敷地内に入るまでに2キロは歩いたと思うし、敷地もまた広大でコンサート会場に たどりつくのも大変でした。5ヶ所くらい検問所がありましたが、これは野外だけにどこかから 侵入しようとする人間を防ぐためでしょうか。
海外における日本人のマナーの欠如ばかりが取り沙汰されてますが、どっちがやねんと思うほど凄まじいゴミの山には辟易。オマケに朝の雨で下はぬかるみ状態で転ばないよう非常に気を使いました。
こりゃ、近所の人間も城の持ち主も1年に一度しかライブを許可しないはずだ、と納得。

2万円は騙し取られたけど、とりあえず予算以内でコンサートが見れたのでよしとしよう、 世の中には、命を取られるなどそこまで極端な事態に陥らずともパスポートを盗まれたり、強盗に 遭ったりといったケースが星の数ほどあるし・・と自分に言い聞かせてもど~もすっきりしない んですよね。

とにかくこういうファンの熱意につけこむ詐欺グループは是非とも一網打尽にして欲しい。 世界中がテロに震撼し、戦争勃発かというこの一大事に、チケ詐欺に遭ったくらいでガタガタ 騒ぐな、そもそもダフ屋なんぞから購入したあんたが悪い、自己責任だと思われそうだけどダフ屋に頼らざるを得ないこういうファン心理は、熱狂的なファンならわかってもらえるのでは ないでしょうか。

しばらく、B&Bの主人など会う人ごとにこのチケット詐欺のことを触れ回っていたのですが、 私が北アイルランドを去った後にベルファストで久しくなかった テロが発生して、子供が犠牲になり、その後、NYでそれをはるかに上回る史上最悪の テロが起こったので、自分の詐欺の件などもはやどうでも良くなったんですけど、やはり 放っとくと被害が後を断たないと思います。

そもそも、U2がこれほどBIGにならなければこんな目に遭わなかったんだ~! ちなみにこの時期にロンドンでのロキシー・ミュージックのコンサートに向かう知人によると チケットは簡単に取れたそうです。羨ましいというか・・複雑な心境です。

肝心のコンサートの方は、スクリーンさえも豆粒状態で、デティールはわからなかったの ですが、参加することに意義があるんだ、ということで雰囲気だけでも楽しんできました。

ラインナップは以下の通り

「ソート・オブ・ホームカミング」なんてライブで初めて聴きましたが、やはり スレーン城だからでしょうか。

ボノのお父上が亡くなったとのことで、アンコールの時にはボビーの写真がスクリーンに映し出され ました。この大変な時に、キャンセルもせずにファンのためにコンサートを敢行してくれた ボノには感謝しきりです。

もう少し、詳細をUPできればよいのですが、なにぶん豆粒みたいな ステージを遠方から眺めていただけなので、ステージに関しては詳しいレポートができないのが 残念。ただ、あの場にいて、コンサートを体験できただけで満足している私です。