私の体は音楽と映画と旅でできている

タイトルのまんまのブログ。中年主婦が映画、音楽、旅行について思いつくままに書いてます。

『キングダム』と始皇帝について

アイルランド ハープ合宿に気を取られていてすっかりブログ更新が滞ってしまいました。

マンガの実写化は失敗する事が多く、この作品も全く期待しておらず、鑑賞予定になかったのですが、評判がいいので、観てみたらこれが超がつくくらい面白かった。 


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原作を読んでなかったから良かったのかもしれないけど、原作ファンも絶賛していたので、結構忠実に映像化していたのだと思う。

ヘタレなイメージの強い山崎賢人も殺陣とか頑張っていたと思います。
すごく訓練したんでしょうね。

アクションもさる事ながらセットとか背景とかすごく凝っていると思いましたが、とてっきり中国にロケしたのかと思ったらほぼセットとCGだというから驚きました。
歴史大作というよりヒロイック・ファンタジー要素が強いですね。

私は原作は読んでないのですが、先が気になってNetflixのアニメ版を観たのですが、これもまた面白かった。f:id:kiaralovesharp:20190628051421j:image


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一部が前半が映画で描かれている政が王位を取り戻すまでと王騎将軍の死まで、二部は信が数々の戦いを経て正式に千人将へと上り詰め、政は呂不偉との本格的な対決を決意するまでが描かれています。

一部では子供っぽかった信と政が二部ではやや大人っぽくなっていますね。

アニメは今、発売されている50巻の半分くらいしか消化できてませんが、3部の放映はまだ未定みたいですね。
NHKで放映されたようですが、資金いくらでもあるんだからもっと協力しろよ。
大河ドラマもショボいし、平均年収1500万も取っているのだからその分を制作費に回してもバチが当たらないのでは。

さてら暴君のイメージの強い始皇帝ですが、あれだけの事を成し遂げるには聖人君子では無理でしょう。
私の知る限り聖人君子の皇帝は古代ローママルクス・アウレリウスくらいでしょうか。
もっとも、中国は前王朝を全否定するので、誇張も入ってるんでしょうね。

これは、暴君とされたローマ皇帝がほぼ例外なく元老院と対立関係にあり、その死後は功績が抹殺された事と似ています。

私は塩野七生の『ローマ人の物語』を読んで以来、定説を疑ってかかる癖が身についてしまったので、自分なりに始皇帝について調べてみました。

どうも、『キングダム』で描かれる冷徹ではあるけど、公正で寛大な政とのちの暴君と呼ばれた始皇帝が繋がらないというのもその理由の一つですが、原作者も色々調べたんでしょうね。

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こちらに面白い記事が載っていたので抜粋します。

https://www.epochtimes.jp/2016

"これまで始皇帝は在位中に数々の圧政を行ったとも言われてきたが、それは始皇帝が死去して119年後、つまり漢の武帝の時代に司馬遷が記した『史記』の記述から後世の人々が推測したものに過ぎない。"

"これまで始皇帝は、受刑者や奴隷70万人を動員し、巨額の費用を投じて、始皇帝陵と阿房宮を建築したと思われていた。

 だが、これは本来「朝廷の官吏を派遣し、軍人や囚人、他国の捕虜を70万人徴集して驪山の整備や阿房宮の建設に従事させられた」ということを意味しており、平民や百姓を徴収したわけではないのだ。そして「隠宮」とは受刑者ではなく宮中の宦官(去勢した男性官吏)を指している。

秦王朝では成人男性は一生のうち1年間の兵役に就き、予備兵役又は開墾事業に1年間、その後は毎年夜間の見張りに1カ月従事していたと記されている。例えば20歳男性の場合、50歳になるまでに兵役や賦役に従事すべき期間はおよそ4年半にすぎなかったという。"

これは、徴兵制や奉仕活動がある現代の一部の国と比べて大差がない。

焚書坑儒の真相

"始皇帝と言えば焚書坑儒を連想する人も多いだろう。焚書坑儒始皇帝の残虐さの象徴ともいえる事件であり、それまでの中国の歴史や文化を破壊したとも言われている。だが、始皇帝焚書坑儒を行った真の目的は、玉石混淆な思想・文化が入り乱れた状態を一掃し、詐術を用いて人心を惑わす者を排除することであり、正統な文化を後世に残すためであった。この意味で始皇帝の行った「焚書坑儒」は後世に語り継がれるべき大きな功績である。"

儒学は日本の道徳観のベースになった思想ですが、迷信的なところもあり、弊害も多かったそうです。
例えば、コーランによる統治をしているゴリゴリのイスラム教国家がありますが、その弊害は極端な家長制度、女性の財産化"(奴属化)など人権的に問題があるのはよく知られています。
トルコのアタチュルクは政教分離を成し遂げ、イラクサダム・フセインは強健的ではあるけど、原理主義が嫌いで女性解放がかなり進んでいました。
古くは織田信長比叡山武装寺を攻撃しました。

"「坑儒」に至っては、人を騙し、詐欺を行い国の政策を混乱させる一部の道士らを一掃する政策にすぎなかった。"

刑の苛烈さも特に始皇帝が突出していたわけでなく、古代中国では一般に行われていたものに過ぎません。
今の価値観で歴史を裁いてはいけないのです。
それでも、明らかに残虐行為を楽しんでいた為政者もいたそうなので、そう考えると始皇帝の行った刑罰は私的なものでなく、公的なものだったから、公正と言えるかもしれません。

【海外ドラマ】メディチ

Huluにて『メディチ』が、配信開始されたので鑑賞しました。

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15世紀のフィレンツェを背景にメディチ家の盛衰を壮大なスケールで描いた歴史ドラマで、2016年からイタリア公共放送局RAIで放送が開始されるや、イタリアで平均視聴率26.9%を記録したほど。
そのドラマが日本についに上陸。
日本ではあまり馴染みのない題材ですが、ルネサンス好きにはこたえられません。

イギリスやイタリア、アメリカなどから国際色豊かなキャストを配していますが、ダスティン・ホフマンがコジモの父、ジョバンニを演じています。
一話目はそのジョバンニが暗殺されるところから始まり、息子のコジモがメディチ家の当主として後を継ぐことになります。
時折、彼の若い頃の回想シーンが挿入されますが、若い頃の彼は画家志望だったのですが、長男の義務として渋々家業を継ぐ事になったという設定になっています。
それが芸術家のパトロンとしてのメディチ家の伏線となっているわけですが、実際にそれが花開くのは孫のロレンツォの時代ですが、2シーズンではメディチ家の最盛期を築いたロレンツォの時代が描かれるという事で楽しみです。
ダ・ヴィンチと禁断の謎』でもロレンツォが登場しますが、あちらが冒険活劇としての要素が強かったのに対し、こちらは伝記もの、歴史ものといった印象が強く、コジモが理想と現実の間で迫られる決断、政敵との政治闘争、陰謀や駆け引きなどが描かれ、コジモがひとかどのリーダーとして成長していく姿が見応えたっぷりに描かれています。
対し、息子のピエロは少し頼りない感じですが、その息子がロレンツォであり、孫が祖父の資質を受け継いでいるようです。
2部で、ピエロをジュリアン・サンズが演じているという事で、昔からのファンとしては嬉しいですね。
歴史を知らなくても、十分楽しめる出来となっていますが、メディチについて簡単に解説させていただきます。

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のちに老コジモと呼ばれるようになるコジモ・ディ・メディチ

ドラマのイケメンとは随分印象が違いますね。

 

フィレンツェは12世紀に自治都市としての地位を確立してから毛織物業で莫大な利益を得、それを国王や教会に貸し付ける事で金融業を発展させました。
その中でも突出していたのが銀行家のメディチ家であり、1429年にコシモ・ディ・メディチが覇権を確立しました。
メディチ家が他の銀行業者より抜きん出ていた理由は、いち早く貿易中心の事業を金融中心へとシフトしていったからで、彼は有力な政治家や聖職者に金を貸す事で権益を確保し、国政に影響力をつけていきました。
彼は民衆の圧倒的な支持を得るが、民主主義を擁するフィレンツェ市民に配慮して、表向きは政治のトップに君臨するのを避け、代わりに芸術を保護し発展させる事で人心の掌握に努めました。
彼は学芸の発展のためにプラトン・アカデミーを創設。多くの芸術家のパトロンとなりました。


これはいわば紀元四世紀末、アテネプラトンが創設した学術学校の再現であり、多くの芸術家が古典芸術に感化され、その才能を伸ばしていきました。
コシモの孫ロレンツォの代にメディチ家は最盛期を迎えることになり、パッツィ家のクーデターやナポリの侵攻などで一時苦境に立たされたものの、機転を利かせて反対勢力との和平を実現、その後ロレンツォは多くの芸術家を輩出しフィレンツェは黄金時代を迎える事となります。

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ロレンツォ・ディ・メディチ

フィレンツェで目にする建築物や芸術品の多くはメディチ家が関わったものであり、ドラマの中で若きコジモが人々に仕事を与える為に建設途中だった花のサンタ・マリア教会のクーポラの工事を進めるシーンがありますが、このクーポラの建築は困難を極め、その難題を解決したのが天才建築家ブルネッスキで、古代ローマイスラム建築の工法を取り入れることによって、教会はようやく完成、このクーポラの工事だけで16年かかったそうです。

U2 SLANE 2001

U2の来日も決まった事だし、昔UPした2001年度のSLANEのライブ・レポートを転載します。

 

ゴー・ホーム ~ライヴ・フロム・スレイン・キャッスル [DVD]

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たまたま、9月初頭に商用でバーミンガムに出向く用事があったので、一週間渡航を早め、ネットで知り合ったKさんとU2のコンサートをご一緒しようということになったのです。

8月25日には何とかU2のコンサートを体験することができたのですが、そこに行く着くまでに 何度も天国と地獄を往復するハメに・・
自分の恥をさらすことになりますが、海外コンサートを 体験してみたいという方もおられるかもしれないので、警告の意味も込めてあえて書きます。

私が24日にダブリンに着いてまずしたことはSLANE行きのバスの情報を得ることでした。 街にはU2の曲が流れ、レコード屋にはU2コーナーができ、コンサート前夜の雰囲気 タップリで私は気分良くダブリンの街を歩いておりました。

ダブリンが誇るU2のコンサート、それも音楽フェスで名高いスレーンでのコンサートだから きっと観光局が何か知っているに違いないという希望的観測のもとオコンネル通りの観光局に 向かいました。
順番待ちの私の前には、翌日スレーンのコンサートに車で行くから道を教えて 欲しいと尋ねているカップルがいて快く教えてあげていたから、きっとバスに関しても詳しい ことを知っているだろうと思い込み、早速尋ねてみたのですが、彼女は「バスのことは向かい のバス・インフォメーションで聞いて下さい」と言うのです。

そこでも私の英語力が不足しているせいかどうも要領を得ないので、仕方ないからとりあえず、 次の移動先のエニスキレンへのバスの時間を調べにコーチ・ステーションに向かうとそこの チケット売り場に「SLANE行きのバスはここでお買い求めください」という張り紙が・・  喜んだのもつかの間、チケット売り場で聞いてみるとスレーン行きのバスのチケットは全て SOLD OUTというではありませんか?! 

前日にしてバスが売り切れなんてそんなことがあるんか~。 それともバスそのものがなくなったとか。とか思いつつ、こりゃ、タクシーで行くしかないかしらん。もう一人くる予定だし、3人で割り勘にするとそれほど高くつかないし・・

などと思いつつ、ダブリンではもう特にやることがないので、情報集めなどをしてから一旦 ホテルへ戻って夜に備えて休憩していたらKさんから電話で荷物トラブルがあった ため、少々遅れるという連絡が入ったのですが、その時にちらりとタクシーのことも調べて くださったとの事。

何でも普通はスレーンまで通常往復100£で行くところ、普通は40分くらいのところが 渋滞で3時間はかかる可能性もあるということでイベント料金と称し、170£を要求。 しかし、これは決してボラれているのではなく、正当な金額らしい。

24日、夕方にKさんと合流。色々と翌日の計画を練っていたのですが、その時初めて ボノのお父上が亡くなったとお聞きして驚きました。

翌日25日には、HP読者のNさんと同じ場所で待ち合わせ、無事に3人合流することが できました。

とにかく、コンサート会場のスレーン城に行くのも至難の技(というほどのことでもないか) だったのですが、何とかタクシーでたどり着いた私達を待ち受けていたのはダフ屋の親父。 うさんくさそうな奴だと思いつつ、交渉開始。

最初は一人140£(約21000円)だと言うので、「もっと安くならない?」と私。
「3枚買うんだけど」とKさん。
そうすると奴は3枚400£(約60000円、一人2万円)だと言う。予算は3万円だったので 一刻も早く中に入りたかった私達「それで手を打とうか」ということになったのですが、 ニセ・チケットが出回っているという情報を事前に仕入れていた私達は、購入する前に 他の人から本物のチケットを見せてもらい、細かくチェック。

う~ん、どう見ても本物だ。しかし、銀色のシールの位置が違うということで疑い深い私達は もう一組、他の観客からも見せてもらおうということになり、こちらはダフ屋の提示するチケット と同じ所にシールが貼ってあり、「大丈夫だよね」と購入を決意したのです。 これで一人134£(約2万円)だから、予算以内に納まったよね、と天国にも上る足どりで途中 写真撮影などしながらチケットの検問所に向かうと、1度目は無事通過。よしよし。 しかし、2度目の検問所でひっかかっちゃったんですよね。

も~う、ほんとにちょっとした違いなんですよ(涙)。そのニセ・チケットは証拠品として 没収されてしまったのでもはや確かめようがないのですが、1文字がかすれていたとかそんな 些細なことだったと思います。

とにかく、その時私達の頭の中は一瞬真っ白に・・。
高いタクシー代を払ってここまで辿り来たというのにコンサートも見れずに帰らなければ ならないのかとそれはもう絶望的な気分に陥りました。

慌ててそばにいた警官に訴え、売りつけた奴を探しに行ったのですが、当然ながら奴がいつま でもそんなところにウロウロしているはずもなく、既にドロン(死語)した後でした。
私は今回の旅行にデジカメを持っていったわけですが、コンサート会場ではどうせ没収される のではという危惧からホテルに置いてったんですよね。
こんなことなら持ってきて売りつけた奴を撮っておけばよかったと後悔しきりだったわけですが、 そういう場合奴はやはり拒否したでしょう。 それか最初からもし本物なら警官の前で売ってくれ、とでも言えば良かったかもしれません。

呆然と気落ちしている私達におまわりさんが「134£は残念だったが、とりあえず、そこの チケットBOXで正規の40£(約6000円)で本物のチケットを売ってもらえばいい」と言うので 一瞬、私は(何言ってんのよ。1時間で売り切れたチケットがあるわけないじゃない)と思ったの ですが、警察の立会いの元、いとも簡単に当日券を買えたわけですよね。チケット・マスターで 買ったから今度こそ大丈夫だろうと安心したわけですが、「こんなことなら最初からここに 来れば良かったじゃん」と嘆いても後の祭り。

しかし、モノホンのチケットを手に入れて浮かれるのもそこそこに、なぜ、売り切れたはずの チケットがあるのかという新たな疑問が沸いてきました。 もしかすると旅行会社が買い占めた(ホテルや航空券と抱き合わせでチケット売りつけようとする 業者、こんなのがいるからすぐに売り切れたんだ)チケットがダブっていたとか、様々なケースを 考えたわけですが、「ニセ・チケットを掴まされてしまった気の毒な人の ために予備のチケットを用意しているんじゃないかしら」と一つの可能性を考えました。
これだけチケット詐欺が問題になっている中、被害が出たということはそばにいながらそれを 防げなかった警察の不手際もあるわけでして・・

果たしてニセ・チケットを掴まされなければ売ってくれたかどうか・・ とにかくその時はそう いうことを確かめる発想も気持ちの余裕もなく、ただただ、早くコンサート会場に入って安心 したかったのでした。この時は3人抱き合って泣いたものです。今となっては笑えますが・・ それはさておき(置きたくないが)8万人の野外コンサートは想像を絶するものでした。 私はFUJIロック・フェスには行った事はないのですが、行った友人によると5万人というだけでも すごいということなのにさらにその+3万人ですからね。
道の両端に並んでいるバスの壁には驚いてしまいました。


とにかく、城の敷地内に入るまでに2キロは歩いたと思うし、敷地もまた広大でコンサート会場に たどりつくのも大変でした。5ヶ所くらい検問所がありましたが、これは野外だけにどこかから 侵入しようとする人間を防ぐためでしょうか。
海外における日本人のマナーの欠如ばかりが取り沙汰されてますが、どっちがやねんと思うほど凄まじいゴミの山には辟易。オマケに朝の雨で下はぬかるみ状態で転ばないよう非常に気を使いました。
こりゃ、近所の人間も城の持ち主も1年に一度しかライブを許可しないはずだ、と納得。

2万円は騙し取られたけど、とりあえず予算以内でコンサートが見れたのでよしとしよう、 世の中には、命を取られるなどそこまで極端な事態に陥らずともパスポートを盗まれたり、強盗に 遭ったりといったケースが星の数ほどあるし・・と自分に言い聞かせてもど~もすっきりしない んですよね。

とにかくこういうファンの熱意につけこむ詐欺グループは是非とも一網打尽にして欲しい。 世界中がテロに震撼し、戦争勃発かというこの一大事に、チケ詐欺に遭ったくらいでガタガタ 騒ぐな、そもそもダフ屋なんぞから購入したあんたが悪い、自己責任だと思われそうだけどダフ屋に頼らざるを得ないこういうファン心理は、熱狂的なファンならわかってもらえるのでは ないでしょうか。

しばらく、B&Bの主人など会う人ごとにこのチケット詐欺のことを触れ回っていたのですが、 私が北アイルランドを去った後にベルファストで久しくなかった テロが発生して、子供が犠牲になり、その後、NYでそれをはるかに上回る史上最悪の テロが起こったので、自分の詐欺の件などもはやどうでも良くなったんですけど、やはり 放っとくと被害が後を断たないと思います。

そもそも、U2がこれほどBIGにならなければこんな目に遭わなかったんだ~! ちなみにこの時期にロンドンでのロキシー・ミュージックのコンサートに向かう知人によると チケットは簡単に取れたそうです。羨ましいというか・・複雑な心境です。

肝心のコンサートの方は、スクリーンさえも豆粒状態で、デティールはわからなかったの ですが、参加することに意義があるんだ、ということで雰囲気だけでも楽しんできました。

ラインナップは以下の通り

「ソート・オブ・ホームカミング」なんてライブで初めて聴きましたが、やはり スレーン城だからでしょうか。

ボノのお父上が亡くなったとのことで、アンコールの時にはボビーの写真がスクリーンに映し出され ました。この大変な時に、キャンセルもせずにファンのためにコンサートを敢行してくれた ボノには感謝しきりです。

もう少し、詳細をUPできればよいのですが、なにぶん豆粒みたいな ステージを遠方から眺めていただけなので、ステージに関しては詳しいレポートができないのが 残念。ただ、あの場にいて、コンサートを体験できただけで満足している私です。

 

カラヴァッジオ

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カラヴァッジオ Caravaggio (86・英)
製作:サラ・ラドクリフ
監督・脚本:デレク・ジャーマン
ナイジェル・テリー/ショーン・ビーンゲイリー・クーパー/デクスクー・フレッチャー/ノーム・アルマ /スペンサー・レイ/ティルダ・スウィントン

年末、天王寺あべのハルカスでカラヴァッジョ展が開催されるのでデレク・ジャーマン監督による『カラヴァッジオ』を紹介します。


イタリア・ルネッサンスの時代もっとも異端に生きた画家カラヴァッジオの生涯をジャーマン 独特の斬新なタッチで描いた作品。


トスカーナ地方のポルト・エルコーレの簡素な部屋に横たわり、死を待っているミケランジェロ・メリン・カラヴァッジオ
その脳裏を、さまぎまな思い出が去来する。

絵の天才少年カラヴァッジオは、ローマに移り住み、道端で絵を売りながら、わずかな収入で食いつないでいたが、枢機卿デル・モンテが、彼の描いた酒神バッカスの絵に魅せられ、 自分の館にカラヴァッジオを引きとる。
枢機卿の庇護のもとにカラヴァッジオは絵画の腕を研き、 ロ一マの聖ルイ・フランス教会から公式の作品依頼を受ける。 
彼はラヌッツオという美しい若者に魅せられ、モデルにするが、彼の恋人レナとも関係を結び、奇妙な三角関係が生じ、それはやがて殺人へと発展してしまうのだった。
ラヌッツオを演じるは『ロード・オブ・ザ・リング』のショーン・ビーン。レナはデレク・ジャーマンの常連女優ティルダ・スウィントン

 

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ルネッサンス時代が舞台とはいえ、セットや小道具、衣装には凝らず、低予算映画 だというのがよくわかる。完璧主義者で細かな所にまでこだわり、時代を映し出すヴィスコンティ とは対称的。
ルネッサンス時代の衣装と違うぞ~、とか思ってしまうのだが、挙句、カード電卓 や雑誌までが登場します。ジャーマン映画に慣れた者でないととまどって しまうこと必至。

また、光の効果”を用いる手法は、カラヴァッジオによってはじめて絵画に試みられたものだが、 映像美にこだわるデレク・ジャーマンカラヴァッジオのスキャンダルな生き様のみならず その特異な芸術性にも惹きつけられてやまなかったのでしょう。

80年代は彼の絵もデレク・ジャーマンの良さも理解できませんでしたが、イタリアに頻繁に行くようになって彼の絵の良さがわかるようになりました。

放蕩の画家カラヴァッジオは、男娼や娼婦、浮浪者などをモデルに聖人やマリア様を 描いているのでラファエロの宗教画と比べるとどこか生々しくかつダイナミズムを感じさせます。ローマの教会には『聖マタイの召命』をテーマとした壁画がさりげなく飾られていますが、こんな何億もの価値のあるものがよく盗難にも遭わないなと感心しますが、おそらくそれなりのセキュリティーが導入されているんでしょうね。

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私の一番のお気に入り『エジプトの逃避途上での休息』

カラヴァッジオの割に優しい癒し系の絵です。

 

 

炎のランナー

大河ドラマ『いだてん』の主人公、金栗四三が最後に出場したのが1924年のパリ・オリンピック。
そのパリ・オリンピックを舞台にしていた作品が1981年度のアカデミー賞を受賞した『炎のランナー』です。

 

 

 今思えばこの映画に惹かれたのはあの流麗なヴァンゲリスの旋律と作品全体から漂う英国独特の香気と格調の高さに負うものが大きかったのではないかと思う。
まず冒頭で海辺を走る神々しいまでに誇り高い青年たちのトラディショナルな美しさに惹き付けられずにはいられない。
灰色の雲が重くたれこめた空、地中海の抜けるようなコバルト・ブルーの海とは明らかに違う北国らしい暗い海の色が英国の風土がまた彼らを引き立てている。 
映画は「絵」だなあ、と思わせるシーンだが、上品な包装紙でありとあらゆる英国らしいものをパッケージしたようなあの雰囲気が伝統を持たない新興国アメリカのコンプレックスを刺激したのもわかるような気がする。
普段、イギリスはアメリカを成上がり者と見下し、アメリカはアメリカで英国を気取った斜陽の帝国とバカにする。同類憎悪とでもいうのだろうか。その反発は似た民族であるがゆえに相当なものらしい。
しかし、伝統と風格というものは建国200年余りのモザイク国家アメリカが逆立ちしても持ち得ないものであり、こうも堂々とブリティッシュ・トラッドを前面に出されるといつもの反発心も消えうせ、ひれ伏すしかないのだ。

 ストーリーは、1924年のパリ・オリンピックで金メダルを獲得した二人のイギリス青年を対比させながら、ひらすら夢を追い求めていく彼らの青春を描くといったものだが、そこはイギリス、単純なスポ根ものとは一線を画している。

 ユダヤの血をひいているがゆえに、いわれなき差別と偏見を受けていたハロルド・エイブラハムズはいわば周囲に自分を認めさせるためにオリンピックに参加する。
一方、宣教師の家に生まれたエリック・リデルは神のため、信仰のために走る。

 オリンピックはいわば戦争の代理的行為といった側面があり、どうしてもそこに国威発揚といった政治的な思惑が絡んでしまうが(36年のベルリン・オリンピックや2010年の北京オリンピックはその典型)、エイブラハムズとリデルの中からは国家を背負っているという意識があまり感じられない。ひたすら速く走りたいというオリンピックの本来の精神がよく現れている。そのひたむきな姿が世界中の感動を呼んだのだと思う。

 中でも神に人生を捧げ、国家にさえたて突いてみせる宣教師ランナー、エリック・リデルの決して自分の信念を曲げようとはしない頑固一徹な生き方にはもう脱帽という他ない。
 彼はスコットランド人である。長い間英国に蹂躙されてきたスコットランド人のナショナリズムといったら、我々日本人の認識をはるかに凌駕していて、凡百の映画ならそこにイングランドに対するスコットランド人の対抗意識といったものを加味するところだが、リデルからはスコットランドナショナリズムはまったくと言っていいほど伝わってこない。その代わり彼の神や信仰への想いを強調する事でイングランドスコットランドの確執といったものを克服しようと試みているのかもしれない。

 彼の信仰は徹底していて、子供がサッカーをしているだけで「今日は安息日だろ」と戒め、レースの日が日曜日と重なると、イギリス皇太子がなだめようと決して出場を承知しようとしない頑固さである。 
「日曜日は安息日だから走らない」というセリフは伝説になったほどだが、こういう考え方は当時の私には新鮮だった。

 エリック・リデルを演じたイアン・チャールストンは、実はゲイでのちにエイズでこの世を去った。この役のために聖書を読破したそうだが、ゲイでありながら臆することなく宣教師を演じてみせた彼の役者魂には脱帽だ。後に教会の方からこの映画にクレームつかなかったのかしらという素朴な疑問が沸いてくるが、まあ死んだ人を責めるわけにもいかないだろう。
この映画はスポーツを通して魂の至高を謳いあげたもの。

エイブラハムズもブラット・デイビス演じるアメリカ人シュルツもE・リデルを意識し過ぎといった感があるが、リデルは決して脇を見ていない。彼の頭の中にあるのは「勝つこと」ではなく、神への愛と己の精神を鍛えることだけ。ユダヤ人差別と闘うためというまことにパーソナルなある意味で俗っぽい動機で走るエイブラハムズが、そんな純粋なリデルに一歩抜かれているというのが象徴的ではないだろうか。


 個人的に私の好きなシーンはナイジェル・ヘイバーズ扮するリンジー卿が、バーにシャンパンを入れたグラス置いて、その上を飛んでみせるというシーンだ。シャンパングラスにかすかに触れ、中のシャンパンがこぼれるが、決して倒れたりしない。何もシャンパンを置かなくてもと思ってしまうわけだが、このあたりのこだわりが貴族らしくて非常に気に入っている。

 こういう感覚はアメリカ人では出ないのではないだろうか。いかにもイギリス的なシーンだった。
 監督のヒュー・ハドソンはその後パッとしないが、日本だけでヒットした『小さな恋のメロディ』で注目された製作者のデヴィッド・パットナムは、「キリング・フィールド」など堅実に名作を世に送り出し、名プロデューサーの名を欲しいままにしている。

炎のランナー」が私の英国好きを決定的にしたわけだが、今ではもはやこういう世界が英国の真の姿だとはさすがに思ってはいない。


田舎にはこの映画に近いような世界が辛うじて残っているが、都会なんてゴミが散乱してるし、地下鉄の吊り球(チューブは輪ではなく球なんですよね、なぜか)にコンドームがぶら下がっていた時は情けないものがあった。これを見て『どこが伝統と格式の街やねん!』と怒ってはいけない。これもまた愛すべきロンドンの一面なのだ。


 なお、この映画は英国の様々な場所で撮影されている。まず、冒頭で青年達が競争するシーンはウィンザーにあるイートン校、例のリンジー卿がバーを飛び越えるシーンはバッキンガムシャーのバーン・ホール、パリの英国大使館のパーティのシーンはリバプールのタウン・ホール、パリのオリンピック競技場はイギリスのベビングトン競技場で撮影された。
また、この映画の象徴とも言える冒頭とラストのシーンで若者達が走るのはスコットランドのウエスト・サンズ・ビーチである。

 

U2来日情報補足 

U2来日の正式発表がなかなかされず、やきもきしている人も少なからずいらっしゃると思いますので、現時点でわかっている事をまとめました。

 

有力ファン・サイト、U2songs.comによるとステージの構成などがほぼ決まり、ツアーのポスターなどの情報が発表されたそうです。 

 

オセアニア・アジアツアーは2019年11月8日、ニュージーランドを皮きりに、オーストラリアでの公演を経て、シンガポール、東京で行われる予定です。

 

オープニングアクトは、ノエル・ギャラガーが予定されていますが、こちらはオセアニアだけで、日本では前座はないでしょう。 それにしても、ノエル・ギャラガーが前座とは贅沢ですね。

 

オークランドでは2回の公演が噂されていますが、人口一千万以下の国なのに需要があるんですね。

 

オーストラリアでの最初の公演はブリスベン、2019年11月12日と具体的な日程が出ています。 オーストラリアは、メルボルンで2回、アデレードで1回、シドニーで2回、パースで2回、計8回の公演が予定されています。

 

それからアジアに移動、11月後半、シンガポールでのライブを経て、12月にいよいよ日本上陸を果たします。  

 

日本では一応、2公演が予定されていますが、最初の1公演のチケットの売り上げ状況によって、追加公演という形で行われる予定です。 会場はさいたまアリーナが最有力。 どうせなら大阪でやってくれたら九州の人も来れるのにね。

 

このツアーでは、2017年のJoshua Tree Tourのようにアルバムの曲全てを演奏する事はないとの事ですが、アルバムがツアーの中心になると言われています。

 

とにかく、一日も早く正式発表されないと安心してヨーロッパに行けません。 プロモーターはやはりウドー音楽事務所でしょうか。

https://www.instagram.com/p/Bwr2H_nneY2/?igshid=rq407o5p9wh4 -- 高速メモ帳から送信

ボリウット・マサラ上映会

6日にマサラ上映会があったので行ってきました。 


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マサラ上映会というのは、インド映画を観ながら手拍子を叩いたり、踊ったりする参加型イベント。

もっとも、本場のインドではこういう観賞スタイルは当たり前で、ここでのイベント以上の盛り上がりを見せるそうです。 おそらく、映画を観る時のリアクリションとしては日本が一番大人しいのではないかと思います。

コメディー映画でさえあまり笑わないですからねえ。

『ジョニー・イングリッシュ』では一人大笑いしてアホみたいでした。

先日観た『アベンジャーズ エンドゲーム』では前の人がやたら受けているなと思ったら外人4人組でした。 日本人って、こういうイベントでお膳立てしてやらないと映画上映ではなかなかノレないんですよね。


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会場は真ん中が空いていて踊れるように上映の前にダンスのレクチャーがあります。

ポスターからはスパイ・アクションみたいな印象を受けますが、チャラ男がたまたま列車で助けた美女がマフィアのドンだった事から大変な目に遭うといった巻きこまれ型ラブ・ストーリー。 タイトルにエクスプレスと付いている割に列車のシーンは前半少し。

最近のマサラ・ムービーは踊りのシーンがかなり読めない短縮されていますが、外国向けだからでしょうか。

 

主役はシャルーク・カーン。 インドのトム・クルーズとも岡田准一とも言われてますが、50過ぎてるはずなのにいつまでも若々しいです。 マサラ上映会は二回目ですが、前はしょうもない学園ものでストーリーなど全然頭に入って来なかったのですが、今回は結構物語に引き込まれましたね。 

踊りのシーンは3回ありますが、ダンスクラブの人がリードしないと皆さんなかなか前に出て来ないですね。 神戸でも練習会があるようですので、いつか行ってみたいですね。 --